HSK6級点数UPにつながるコツ(リスニング、読解、作文)
HSK6級の問題は本当に難しいですよね。
・リスニング問題速すぎ…
・作文書けない…
・時間無さすぎ…
このようなことで苦労している方は多いんじゃないかなと思います。私もそうです。
しかし試験には対策があります。中国語の地力を上げることがもちろん一番重要ですが、試験を受ける時は対策をしているかいないかで点数が大きく変わってくるはずです。
私は2024年1月21日にHSK6級を受けてきました。点数は199点と少し不満なのですが合格してきました。
そこでこの記事では私が日々の勉強で気づいた問題を解くときのコツや、試験当日でのちょっとしたハプニングをお伝えします。
この記事を読んで本番で少しでも良い点数を取ってください。
リスニングのコツ
リスニングのコツは以下の5つです。
・過去問をたくさん解く(最重要。同じ問題が出た)
・選択肢の先読み
・選択肢を見ながら問題を聞く
・設問と選択肢だけで答えを推測する
・わからないときは諦める
過去問をたくさん解く
試験対策において過去問演習はいろいろな意味で重要です。
私が今回の試験で一番驚いたことは、解いたことがある過去問と同じ問題がリスニングで出たということです。
5~6問出たような記憶があるので、点数にして10点以上です。
もともと過去問はやるべきですが、これでますます必須だと言えます。なるべく数多く過去問をこなしておくことをおすすめします。
選択肢の先読み
選択肢はなるべく問題が流れる前に見ておいたほうが良いです。こうすることで問題の内容が推測できたり、集中して聞くべきポイントをあらかじめ知ることができます。
例えば「起源于20世纪90年代」のような選択肢があるなら、何かが「いつ」始まったのかは絶対に聞き逃さないぞと心の準備ができるわけです。
選択肢を見ながら問題を聞く
本文が読まれているときに意識をどこに集中させるか。これには2通りのやり方があると思います。
ひとつは流れている音声を集中して聞くこと。もうひとつは選択肢を見ながら問題を聞くこと。
経験上、後者のほうが正解率が高くなります。選択肢を読んでいる間に大事な情報を聞き逃すのではないかと心配になるかもしれませんが、それよりも本文と選択肢で一致する内容を探すことが大事です。
HSK6級のリスニングはものすごく難しいですが、選択肢の難易度は非常に低いと感じています。
具体的には、ちょろっと聞こえただけの単語が入っている選択肢が正解ということが多いです。
したがって、本文が読まれているときは選択肢を見ながら聞くことをおすすめします。
設問と選択肢だけで答えを推測する
本文が全く聞き取れなくても諦めるのはまだ早いです。設問で「何を質問しているのか」さえ聞き取れれば、答えが特定できるか2つくらいに絞れることが少なくありません。
例えば過去問で次のようなものがあります。
在飞机安全方面,白色机身有什么作用?
中国語検定HSK公式過去問集6級[2021年度版] スプリックス
対して選択肢が以下の4つです。
A 减轻机身重量
中国語検定HSK公式過去問集6級[2021年度版] スプリックス
B 夜间不易相撞
C 机身不易被腐蚀
D 避免强光伤害乘客
飛行機が色が白いことに安全上どんな利点があるのかと考えれば、「多分Bだろう」と推測できますよね?
このように、設問さえ聞き取れれば、「常識的に考えてこれだろう」とか「この選択肢は聞かれていることに答えていないから違う」など、いろいろな理由で正解がわかることがあります。
本文がわからなくても設問だけは頑張って聴いてください。
わからないときは諦める
設問を聴き選択肢を読んでもなおわからないときは、なるべく早くその問題は捨てる決断をしましょう。
早く次の問題の選択肢を見ないと立て続けに不正解になってしまう危険があるので、1秒でも惜しいです。
読解のコツ
読解は時間との戦い
読解のコツは以下の通りです。
・第一部分「病句」は最後に解く
・常に時間を意識して良いテンポで解く
読解は3つのパートの中で最も易しく、苦手意識を持っている人はそんなにいないのではと思います。とはいえ難点もあって、それは「第一部分『病句』だけ異常に難しい」ことと「時間がきつい」ことです。
読解の第一部分は間違い探しです。4つの短文が与えられ、その中から文法上や語法上の誤りを含むものを選びます。やればわかると思いますが、めちゃくちゃ難しいです。
「一見問題ない4つの文から些細な間違いを含むものを探す」という問題形式で、非常に高度な知識が要求されます。じゃあどうするか。個人的には「捨て気味に最後に余った時間に解く」が結論です。
過去問を通しで解くときに、普通に頭から解いて第一部分で苦しめられ時間を取られるのと、第一部分を最後に回すのとで20点近く点数が違ったこともありました。
それほどまでに問題を解く順番は重要です。
なお第一部分の配点は(読解パート50問が全て同じ配点だとしたら)20点ですので、読解で9割を狙う人は病句を捨てることはできません。8割で良い人は病句をほぼ捨てて問題ない思います(一応、対策を後述します)。
第一部分をほぼ捨てる場合でも、それ以外をそんなにゆっくり解くことはできません。
1問1分を目安に、10分くらいずつ時計を確認しながら解きましょう。
おそらく、全ての問題で選択肢を4つとも読んでいる時間はないと思います。
Aの選択肢を読んでAが正解と思ったらB以下を読まないという決断も時には必要です。
時間を節約できるところは上手に節約していきましょう。
第一部分「病句」対策:解答のパターンを知る
誤っている文が「誤りである理由」にはいくつか典型的なパターンが存在します。これらに該当する選択肢がないか注意して探してみましょう。
・意味が重複する単語が使われている
・文の前半・後半のつながり方がおかしい
・動詞と目的語の組み合わせがおかしい
・文の要素が欠けている
・語順がおかしい
それぞれ具体例を挙げていきます。
意味が重複する単語が使われている
这种悲惨的结果是他们在关键时刻没有抓住机遇而造成的结局。
中国語検定HSK公式過去問集6級[2021年度版] スプリックス
「结果」と「结局」で意味が重複しているので「结局」を削除すると正しい文になります。
文の前半・後半のつながり方がおかしい
7月,假如沿着青海湖环游一圈,因此会是一次畅快的身心放松之旅。
中国語検定HSK公式過去問集6級[2021年度版] スプリックス
「假如」で始まる文を「因此」で受けることはできません。「因此」を「那么」や「就」に置き換える必要があります。このタイプは接続詞に注目すれば比較的簡単に発見できます。
動詞と目的語の組み合わせがおかしい
年轻人应该勇敢地担任起科技创新的责任。
中国語検定HSK公式過去問集6級[2021年度版] スプリックス
こういうのに気づける人は相当な実力者だと思いますが、「担任」と「责任」は相性が悪いそうです。以下に解説を載せておきます。
この文の動詞❝担任❞は具体的な仕事や職務を受け持つ場合に使われる。本文のように責任や任務を負うような場合には❝承担❞などの動詞を用いるのが適切である。
中国語検定HSK公式過去問集6級[2021年度版] スプリックス
文の要素が欠けている
主語、述語、目的語のいずれかがあるべきなのに無いパターンです。
在阅读文学名著的过程中,使我明白了许多做人的道理。
中国語検定HSK公式過去問集6級[2021年度版] スプリックス
述語「使」に対応する主語がありません。ここでは「使」を削除すると正しい文になります。
語順がおかしい
爷爷对他的鸟儿爱不释手,提着鸟笼散步在每天一大早。
中国語検定HSK公式過去問集6級[2021年度版] スプリックス
每天一大早(毎日朝早くに)の位置が間違っています。これは状語(連用修飾語)なので述部の前に置きます。
正しい文はこちら→爷爷对他的鸟儿爱不释手,每天一大早就提着鸟笼散步。
作文のコツ
作文のコツは以下の通りです。
・HSK4級までの単語を書けるようにしておく
・重要な情報を確実に記憶する
・作文の書式を確認しておく
HSK4級までの単語を書けるようにしておく
試験では手書きの作文をするため、漢字を正しく書けないとものすごく困ります。
私は6級試験本番でなんと「什么」の「么」をどう書くか忘れてしまい、合っているかどうか不安に思いながら書きました。「邀请」の「邀」なんかも書けませんでした。
HSK4級までの基本単語はよく使う上、忘れてしまうと他の単語で代用できません。
字が違うともちろん減点でしょうし、いちいち思い出しながら書くのは時間もかかるため不利です。
したがって、HSK4級までの単語は全部完璧に書けるくらいにしておくのがいいです。
5級、6級の単語は書けなくていいのか?というと、さほど問題ありません。
なぜなら、この試験は与えられた文章を要約するだけですので、書けない字はその場で覚えてしまえばいいからです。ただし見て意味がわかる実力は必要です。
重要な情報を確実に記憶する
要約問題で与えられた文章を読むときには、要約に含めるべき情報を確実に記憶しながら読んでください。
要約に含めるべき情報とは「人物」「時間」「場所」「原因」「経過」「結果」です。
このうち後ろの3つは話の内容がわかれば自然に覚えられると思います。
ですが前の3つは意識して読まないと忘れてしまいがちです。
「登場人物の名前」の漢字などを忘れてしまうと要約としてまずいので、確実に記憶してください。
作文の書式を確認しておく
解答用紙に中国語を書くときの書式を、試験の直前でいいので確認しておきましょう。
主なルールを挙げておきます。
・作文のタイトルは先頭4マス開けるか中央に書く
・段落の初めは2マス開ける
・「,」や「。」は行の先頭のマスに書いてはいけない。前の行の最後のマスに一緒に入れる
・「:」と「“」は1つのマスに入れる。「”」と「,」、「”」と「。」も同様。
※「:」を使う場面は主に登場人物がこれこれこう言ったと書くときです。「(人物)说:”(発言内容)。”」の形です。
解答用紙は関係ありませんが次の点もおさえてください。
・「,」と「、」の違い
日本語の「、」、つまり読点と同じ役割をするのが中国語では「,」です。
中国語の「、」は並列する単語を並べるときに使います。
例)我去过日本、中国、美国等等。
【体験談】リスニング試験中の雑音が気になる
リスニング中に周りの雑音がかなり気になりました。例えば誰かが鼻をすする音です。
家で勉強するときほど試験室内の環境は良くないかもしれないと事前に想定できていなかったのは失敗でした。
ちなみに以前4級を受けたときには雑音は全く気になりませんでした。
そのときは最前列で、今回は最後列だったというのが大きいかもしれません(音源が教室の一番前にあります)。
いずれにせよ、リスニングの実力がない自分が悪いです。
少しくらい条件が悪くてもしっかり聞き取れる実力をつけるべきだと思います。
まとめ
以上、私がHSK6級を受けるに当たって対策してきたことや気づいたことをまとめました。ぜひ参考にして試験に臨んでください。